乳酸
にゅうさん乳酸は、日本酒の醸造過程において非常に重要な役割を果たす有機酸です。特に、酒母(もと)の製造において、酵母の純粋かつ大量な培養を促進するために重要です。
酒母は、発酵の基盤となる部分で、ここでの乳酸の生成は特に重要です。生酛系(きもとけい)酒母では、自然界に存在する乳酸菌を取り込み、その働きによって乳酸が生成されます。一方で、速醸系(そくじょうけい)酒母では、あらかじめ醸造用の乳酸を添加することにより、短期間での酒母の立ち上げを実現します。
乳酸は、醪(もろみ)の初期段階で汚染の危険が高い時に、腐敗菌の繁殖を防ぎ、酵母が円滑に増殖し発酵を進めるための環境を提供します。さらに、清酒の中で最も多く含まれる有機酸の一つで、コハク酸と並ぶ重要な成分となっています。このように、乳酸は日本酒の品質を保つために欠かせない要素なのです。