生もと
きもと生もと(なまもと)は、伝統的な方法で酒母を作る技法のひとつです。この製法では、麹(こうじ)、蒸米(むすごめ)、水を使用し、特に「山卸し(やまおろし)」と呼ばれる手作業で物料をすりつぶします。この工程により、天然の硝酸還元菌や乳酸菌が育成され、雑菌の繁殖を抑制しながら、アルコール発酵に必要な優良酵母を純粋に大量に培養します。生もとは、完成までに約30日を要するため手間と時間がかかりますが、味わい深い日本酒を生み出す重要な工程です。
最近では、山廃もと(やまはいもと)と呼ばれる簡易的な酒母の作り方も登場し、従来の生もとに比べて短期間で酒母を仕込むことができるため、多くの蔵元に利用されています。また、普通速醸酒母や高温糖化酒母といった新しい手法も普及しており、効率的な日本酒づくりが行われています。ですが、生もとはその独特な風味や特性から、多くの酒蔵で今なお重宝されています。